為替レートは、さまざまな要因で変動します。
為替レートを変動させる要因というのは、次の2つが考えられます。
「良い」思われている国の通貨は人気が出るので購入され、価値が高くなりやすくなります。
「悪い」と思われている国の通貨は誰も見向きもしないため購入されず、価値が低くなりやすいと言えます。
為替の動きに影響を与える「良い」「悪い」の要因には、以下のようなものがあります。
●金利
お金には、金利の低いところから高いところへ流れる性質があります。
水が、高い場所から低い場所へ流れるのと、反対です。
これは金利の低い国でお金を運用するよりも、金利の高い国で運用した方が、よりたくさんの金利収入を受け取ることができるからです。
金利の高い国に人気が集中する結果、その国の通貨が購入され、為替レートも高くなります。
ただし、どんな国でも金利さえ高ければ通貨が高くなるわけではなく、国内の情勢はもちろん、物価が安定していることが前提です。
●経済の状況
景気が良くなると、株価や土地の値段も上昇し、ビジネスのチャンスが増えます。
外国からもどんどんお金が集まり、その国の通貨を購入して投資するため、為替レートは高くなります。
反対に景気の悪い国からは、どんどんお金が逃げていってしまいます。
その国の通貨を売却することになるので、通貨が安くなります。
景気の良し悪しを判断する材料になる株価・GDP成長率・雇用統計などの状況によって、為替レートが上下することが多々あります。
●貿易
商品を数多くアメリカへ輸出した場合(貿易黒字)、その代金はアメリカドルで支払われます。
そこで、外貨であるドルを、自国の通貨である円に替えることになります。
つまりドルを売って円を買う動きが強くなり、円が高くなります。
反対にたくさん輸入した場合(貿易赤字)には、支払いのためにアメリカドルを購入し、円を売却します。
それでドルが高くなり、円が安くなります。
この輸入と輸出の差が大きいほど、その国の通貨に与える影響が強くなると考えられます。
●為替介入
為替介入は、為替レートの動きを安定させるために政府が介入し、大量の円を売買することです。
日本のような貿易国の場合、急な円高や円安は企業だけでなく、経済全体に大きな影響を与えます。
為替レートの急激な変動によるダメージを、できるだけ小さくするための措置といえます。
●その他
テロやクーデターなどの紛争・天災・選挙・外交イベント・他国の為替政策など、さまざまな影響で為替レートは変動します。
