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通貨危機の仕組みとは

通貨危機とは、通貨が暴落することによって、その国の経済が危機的な状況に陥ることです。

通貨危機が発生する仕組みは、以下のようになっています。

1.財政赤字・政情不安・マクロ経済の急速な悪化などにより、その国の政治経済に対しての信用が低下する

2.金融機関・機関投資家など大手投資家たちがその国に対して不安を抱き、投資から撤退し資本を逃避させる

3.資本を引き揚げる動きが、一般投資家や企業などにも広がる

4.通貨が大量に売られ価格が暴落し、その国の通貨当局の介入能力の限界を超えてしまう

5.通貨危機が発生

過去の通貨危機には、以下のような事例があります。

●1994年 メキシコ通貨危機
●1997年 アジア通貨危機
●1998年 ロシア通貨危機
●2001〜2002年 アルゼンチン通貨危機

通貨危機の原因としては「資本逃避」の他にも、「ソブリン格付け」の引き下げも一要因として挙げられます。

ソブリン格付けとは、その国が海外からの借金を確実に返済できるかどうかの指標のことで、政府が発行した債務の元利金支払いが確実かどうかをランク付けしたものです。

通貨危機の可能性という面では、特に新興市場国や発展途上国など成長途上にある国で、海外資本依存度が高い場合は注意が必要です。

成長が著しい金融市場のことを「エマージング・マーケット」と呼びます。

エマージング・マーケットとは「新しく現われた市場」「成長過程にある市場」を意味し、アジア・中南米・東欧などの新興国を指します。

これらの国々が政情不安などで資本が国外へ流出すると、為替相場の急落といった通貨危機だけでなく、さらには企業活動を行う資金までが不足し、景気の後退を引き起こします。

このような場合、固定為替相場制を採用している国では、自国の通貨の価値を引き下げる政策が実施され、これを「通貨の切り下げ」と言います。

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