グレーゾーン金利は、撤廃される方向で動き出しました。
2006年1月13日、グレーゾーン金利での貸し付けを有効とした場合の条件を、最高裁判所が厳しく判断した判決が出たのです。
グレーゾーン金利とは、貸金業者が「利息制限法」の上限金利を上回る金利で貸し付けても、刑事罰に問われません。
金利を記載した文書を出して契約者が納得して払う限りは、グレーゾーン金利での契約は有効とみなされることになっているのです。
したがって、消費者金融で借金する場合、グレーゾーン金利が多いのが現実です。
ただ、これは本来なら違法です。
グレーゾーン金利は、このような矛盾から、過去に何度も問題になりました。
2006年2月、最高裁判決を受けて貸金業の監督を行う金融庁は、貸金業規制法施行規則(内閣府令)の改正を行うことを表明しました。
しかしここでは、グレーゾーン金利の撤廃については未定とされました。
2006年4月、金融庁総務企画局長の私的懇談会「貸金業制度等に関する懇談会」において、グレーゾーン金利の撤廃について意見が統一されました。
撤廃後どの程度の利率で制限するかについては、「出資法の上限金利(年29.2%)」を利息制限法の上限金利まで引き下げ、それ以上の金利で融資した業者に刑罰が課せられる制度とすることが望ましいとする意見が挙げられました。
2006年9月、金融庁が貸金業規制法改正案をまとめました。
しかし、その内容は「貸金業制度等に関する懇談会」の答申にほど遠く、特例金利の撤廃までの猶予期間を「9年間」とし、その間は現行のグレーゾーン金利をほぼそのまま維持するという内容てした。
業界からの強い反発があり、貸金業者の意向を受けて、政治家が手をつけられなかったとも言われています。
この後、最終的に内閣より議会に提案された法案では、法公布後3年後を目処に、出資法の上限金利を20%に下げると共に貸金業法の上限金利を利息制限法と同一とし、みなし弁済の廃止・日掛金融の特例金利の廃止・総量規制の導入が盛り込まれました。
同法案は、衆参両院で全会一致で可決され、2006年12月20日に公布・2007年12月19日に施行されました。
上限金利については、2009年12月19日を目処に引き下げされる見込みです。(法令上では2010年6月18日迄に引き下げとなります)
