マネーサプライとは、個人や企業などが保有し国内に流通している通貨から、金融機関が保有している通貨を除いた分の総量のことです。
マネーサプライは、以下のように分類されます。
●M1
「現金通貨」+「預金通貨」
●M2
M1+「準通貨」
●M3
M2+「郵便局・農協・漁協への貯金、信用組合・労働金庫への預金、金銭信託など」
●CD
「譲渡性預金」
マネーサプライを形成する各項目について説明していきます。
◇現金通貨
紙幣や硬貨などの現金のこと。
物と交換できることが法律で保証されているので、「法貨」ともいいます。
◇預金通貨
現金と同じ機能を持つ預金のこと。
銀行・信用金庫・農林中金・商工中金等の「普通預金」「当座預金」など、流動性のある預金のこと。
◇準通貨
預ける期間が決定している定期性のある預金のこと。
◇CD
譲渡性預金といい、売買できる定期預金のこと。
預金証書を市場で自由に売買できる自由金利の定期預金で、企業が余裕資金を運用するために利用されています。
CDは中途解約ができないため、現金化する場合はCD市場で売却することになります。
経済活動において、大きな影響及ぼす指標としての役割を果たしているのが、「M2+CD」です。
日本銀行は、四半期ベースの「M2+CD」のマネーサプライ見通しを、3ヶ月ごとに発表しています。
マネーサプライを通じての金融政策は、日本銀行の重要な役割となっています。
また、マネーサプライを適正水準に保つために、「ハイパワード・マネー」が日銀によって管理されています。
ハイパワード・マネーとは、「現金通貨+日銀の当座預金」の合計額のことで、「ベースマネー」や「マネタリーベース」とも呼ばれます。
日銀は、ハイパワード・マネーをコントロールすることにより、マネーサプライの動向に注目しながら、金融政策を行っています。
