金融規制には、さまざまな種類があります。
以下に主な金融規制の種類について、記述します。
●金利規制
資金が不足して金利が上昇しやすい中で資金調達コストの上昇を抑え、金融機関の経営安定を図るなどの目的で、1947年「臨時金利調整法」が施行されました。
預金や貸出しの金利は、公定歩合に基づいた日本銀行のガイドラインによって決定されました。
こうして、ほとんどの取引金利は金融当局の意図する水準に管理されました。
●内外市場分断規制
資本ストックの充実に加え、外貨準備が少ない状況のなかで、日本の対外支払資金(対外流動性)を確保するため、資金の外国への流出を抑える必要がありました。
また、外国為替相場の安定のためにも、海外との間を流出入する資金を管理しなければなりませんでした。
外国との間の取引で、モノに加えて資金の動きなどを規制したのが、1949年施行の「外国為替及び外国貿易管理法」です。
●業務分野規制
少ない資金を効率的に配分し、競争をなくして金融機関の経営を安定させるなどの目的で金融機関の業務を区分し、分業体制とする業務分野規制が設けられました。
普通銀行と長期信用銀行を分離する長短金融の分離、普通銀行の信託業務兼営を禁止する銀行・信託の分離、銀行と証券会社の兼営を禁止する銀行・証券の分離などです。
また、金融行政を最も経営内容の悪い金融機関に合わせて行い、金融機関全体を保護して破綻させないという保護行政、いわゆる護送船団方式もとられました。
上記のような金融規制によって、日本の金融業界に根強く「規制強化」が為されていました。
現在では、金融ビッグバンなど金融規制を緩和する動きが顕著になっています。
スポンサードリンク