日本の金融の歴史は「バブル景気の崩壊」により、「日本版ビッグバン」という金融制度改革が実施されるようになりました。
戦後から続いた「護送船団方式」は、金融機関の自主性を排除し、企業の競争力を制限したため、世界的に見ても金融業務の国際化・多様化から遅れてしまい、国際競争力やリスク管理能力を低下させた形となりました。
古い金融行政からの脱却を目指し、政府は「日本版ビッグバン」という金融改革に乗り出しました。
【日本版金融ビッグバン】
1996年11月に提唱され、2001年4月までにほぼ実施が完了した金融行政の改革のことで、主に金融機関の国際競争力を強化することが目的とされています。
ビッグバンとは、1986年イギリスで行われた証券市場改革の名称のことで、この改革と同様の効果を得られるように「日本版ビッグバン」と名付けられました。
日本版ビッグバンには、以下のような改革があります。
●自己資本比率規制などの健全経営規制
●早期是正措置
●預金保険制度など
上記の改革は、規制緩和と公正な金融市場の創造により、「フリー・フェア・グローバル」という言葉をスローガンに、金融機関の競争や健全経営を促進することを目標としています。
また、企業間競争が激しくなることにより、経営破たん処理についての規制が整備されるようになりました。
金融機関が破綻することにより日本の金融システムが崩壊しないように、破綻の影響を最小限に抑制する「セーフティネット(安全網)」も確保されています。
金融ビッグバンにより当初は金融機関の経営にも影響が現れましたが、今後の日本の金融業界にとって、国際的な競争力を強化するための環境が整ったといえます。
「日本金融の歴史について その4」につづく
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