金融行政機関とは、物価の安定を目的とした金融システムの管理を行う政府の行政機関のことです。
かつて日本では、「大蔵省」という金融行政機関がありました。
大蔵省は戦後、「護送船団方式」という名の金融機関の横並びを目的とした金融行政を行ってきました。
大蔵省は、金融業界に対して強力な許認可権限を有しており、「MOF担」という金融機関の大蔵省担当者から、接待を受けたりなどの不透明な関係が問題視されていました。
バブル崩壊後は、金融機関の国際間競争力を強化するため新しい金融行政を実施することとなり、「日本版ビッグバン」により大蔵省の財政・金融の業務を分離することになりました。
以下に、旧大蔵省から金融行政を分離された「金融庁」が誕生するまでの経緯を記述します。
●金融監督庁
1998年6月、大蔵省の金融検査部が廃止され、監督・検査の専門機関として金融監督庁が設立されました。
金融監督庁は、後述の金融再生委員会の管轄下となりました。
●金融企画局
大蔵省の銀行局・証券局が統合・縮小し、金融企画局という部署が新設されました。
●金融再生委員会
総理府の外局として、金融機関の破綻処理を担当する金融再生委員会が設立されました。
●金融庁
2000年7月、金融企画局と金融監督庁を統合し、金融庁が誕生しました。
2001年、中央省庁の再編で、金融庁は内閣府の外局となりました。
また、金融再生委員会の業務も金融庁が引き継ぐことになりました。
金融庁が設立されたことにより、大蔵省による長年の財政・金融行政は、完全分離したと言えます。
「金融行政機関とは その2」へつづく
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