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グローバル・ソブリン・オープンの問題点とは

グローバル・ソブリン・オープンは人気の金融商品ですが、問題点があることも事実です。

以下に、グローバル・ソブリン・オープンの問題点を記述します。

●運用手数料が高い
グローバル・ソブリン・オープンの「運用手数料」は、年に総資産額の1.25%です。
この手数料は、株式投資信託並みの金額となっています。

さらに「販売手数料」として、購入時に購入価格の1.5%がかかります。

運用手数料が高いファンドであるということは、それだけで運用成績低下につながりかねないリスクを負っていると言えます。

外国債券の利回り(既発債、残存期間10年未満)は、およそアメリカ国債(ドル)3.6〜4.1%・ドイツ国債(ユーロ)2.5〜4.5%などとなっています。

流動性などを考えると、結局はアメリカ国債を中心に据えることとなります。

ということは、本来の利回りが4%程度かそれ以下と考えられます。
これは、株式に比べると低い期待利回りです。

しかしそこから運用手数料を毎年1.25%取ると、実質利回りは1.75〜2.75%といった状況になります。

アメリカ株式市場(NYSE、AMEX)にも債券ファンドがETFとして上場されています。

ETFは、透明性・流動性に優れていることはもちろん、運用手数料が通常0.5%程度と、格段に安く、多くの場合販売手数料が不要だということが大きな特長です。

●運用能力の低さ
グローバル・ソブリン・オープンは、債券と言う比較的安全な運用方法となっています。

しかし基準価額は、基準の1万円を下回っています。
つまり、利回りはマイナスになっているというのです。

この現状を見ると、あまり上手い運用とはいえません。

その原因として考えられるのは、外債市場は株式に比べるとやや閉鎖的な市場であるといえます。

小さな市場であるため、巨額な資金を保有する海外トレーダーに、上手く取引されている可能性があります。

また、為替レートも不利なレートを使っているかも知れないということです。

不思議な点は、手数料を抜いた後で利回りが3%を切っているのに、グローバル・ソブリン・オープンは年5%の配当を実施しています。
 
また、配当は原理的に「元本を取り崩して」行います。
それなのに基準価額がそれほど下がっていません。

どうしてでしょうか?

その理由は、新規の投資資金が入るので、これらの問題が基準価額に響かないということ。

金利が引き上げとなったとはいえ、国内預金の金利はまだまだ低い感が否めません。

それを考えるとグローバル・ソブリン・オープンはやはり魅力のある金融商品に思えます。

そのため今は、新規に投資する人たちのお金がたくさん入ってきているのです。

すると、それに連れて基準価額は上がることになります。

元本を取り崩して配当を支払っても、それほど基準価額には影響しないのです。

ということは、逆に、資金流入が止まってしまったら、どうなるのでしょう?

おわかりですね。
元本を取り崩して分配金を支払うことになり、極めて危険な状態になります。

こうなれば、基準価額の下落は避けられません。

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